絆 6

 宇宙から帰還したヨゼフィーネを、ビッテンフェルト家に送り届けたフェリックスは、そのままワーレン家に顔を出していた。
「あれ~、今夜はフィーネと一緒の筈じゃなかったのかい?」
「その予定だったが、スケッチブックに負けた・・・」
 アルフォンスの問いに、苦笑いで答えたフェリックスであった。そんな彼にルイーゼが尋ねた。
「もしかして、それってエリス姉さんからのスケッチブック?」
「あぁ、今頃、夢中になって見ている筈だ・・・」
 ルイーゼは夫に、皇子の肖像画を依頼されたエリスが、レオンハルトをそのスケッチブックにデッサンしていた事を教える。それでアルフォンスも、フェリックスが<スケッチブックに負けた>と言った言葉の意味を理解した。
「あの子、あれを見て大丈夫だった?」
 窺うようなルイーゼの質問に、フェリックスが答える
「・・・フィーネは『部屋でゆっくりしたい・・・』と言っただけ・・・」
「そう・・・。小さい頃のあの子は、いつもアルバムを見つめては母上を慕っていた。そして今夜は、エリス姉さんのスケッチを見て、レオンハルト皇子の面影を追っているのね・・・」
 今夜のヨゼフィーネの気持ちが痛いほど判るルイーゼが、しんみりとした様子で告げた。そんな妻を見て、アルフォンスがわざと戯けたように、フェリックスに話しかける。
「しかし、残念だったな!今夜は義父上が留守だから、フィーネと過ごせるチャンスだったのに・・・」
 その言葉にルイーゼが<はっ!>となった。今夜は士官学校の同期会があって、父親のビッテンフェルトも舅のワーレンも明日まで帰ってこない。
「エリス姉さん、父上が今夜留守にしているのを知らなかったのよ!スケッチブックをフィーネに渡すタイミングを、チョット外したわね・・・」
 帰還したヨゼフィーネには、いつもテオやヨーゼフが付きまとい、フェリックスの大きな障害となっている。彼にとって、ビッテンフェルトや子供達抜きでヨゼフィーネを口説き落とすチャンスは限られている。それがルイーゼにもよく判っているから、今夜のチャンスを逃したフェリックスについ同情してしまった。
 目の前の夫婦から憐れみの視線を感じたフェリックスは、思わず小さな溜息をついていた。


「フィーネは艦隊勤務が楽しいようだ。俺に宇宙のことばかり話す」
「一、二年目は無我夢中だけれど、今はもう精神的にも余裕が出てきて、責任のある任務を受け持つようになる。だんだん仕事の面白みが判ってくる時期だよ。艦隊勤務は、深みにはまると抜けられなくなるぞ!」
 宇宙艦隊勤務の経験があるアルフォンスの忠告に、フェリックスが頷く。
「フィーネの艦隊勤務も順調のようだ。それで、そろそろフィーネを、陛下に逢わせようと考えている」
 フェリックスの言葉に、アルフォンスとルイーゼが思わず顔を見合わせる。
「そのことはもうフィーネに?」
「いや、まず君たちの意見を聞きたくて・・・」
 フェリックスの問いかけに、ルイーゼが小さくに呟いた
「・・・確かに、あの日から時間は経ったけど・・・」
 不安そうなルイーゼに、フェリックスが説明する。
「もしフィーネが、陛下との会見を嫌がったり、我慢して了承する気配を感じたら、この話は見合わせる。絶対に彼女に無理はさせない・・・」
 フェリックスの説得に、ルイーゼは少し考えてから伝えた。
「貴方に任せるわ・・・」
 その穏やかな表情からは、フェリックスに対する信頼が読み取れた。


 暫くしてルイーゼが席を外し、アルフォンスとフェリックスの二人で酒を交わす。
「これは<ミュラー夫人が君を嗾けた>という事かな?」
「そう思うか?」
 アルフォンスの問いに、フェリックスが逆に聞き返す。
「私にはそう感じるが・・・。君は、スケッチブックの中の皇子を見たフィーネの反応を知っている。だから、こうして動き始めた。違うかな?」
「その考えに否定はしない。只、陛下もフィーネへの贖罪の機会をずっと待っているし、皇子にも出生の経緯を話したい筈だ。このあたりで、一区切りをつけてもいい頃だと思う」
「確かに皇子の年齢を考えれば、これ以上は引き延ばせまい。自我に目覚めた皇子が、予期せぬ形でフィーネの存在を知る事だけは避けたい・・・」
 フェリックスは以前一度ヨゼフィーネに<レオンハルト皇子が素直に順応できる幼いうちに、君の事を話した方がいい>と持ちかけたことがある。そのときはヨゼフィーネから反対され、それ以来フェリックスはこの話を彼女にしていない。ヨゼフィーネの気持ちを知ったアレクも、その件については何も言わなくなった。しかし、レオンハルトは日々成長する。出生について黙っているのもそろそろ限界だと、フェリックスは感じていた。
「フィーネの今回の休暇中に、その話をしようと思う・・・」
 フェリックスがアルフォンスに伝える。
「ルイーゼは、この件は君に任せると言った。私もルイーゼと同じ意見だよ」
「そうか・・・」
「フェリックス、私はフィーネが陛下と逢う事については、大丈夫だと思っている。むしろ問題は、その次の段階だ」
 アルフォンスが言っている次の段階とは、ヨゼフィーネとレオンハルトを逢わせる親子の対面を意味していることは、フェリックスにも判っている。
「うん、俺もそう思うところもある・・・。まぁ、始めの関門を突破しなければ、次に進めない。一つずつ慎重に取りかかるよ」
「そうだな」
 アルフォンスがフェリックスの肩を軽く叩いて励ました。



 ヨゼフィーネの休暇は、いつものようにあっという間に過ぎてしまい、フェリックスが彼女と二人っきりで話が出来たのは、出航を控え宇宙港まで送る車の中であった。フェリックスはやっときたこの機会を逃さず、ヨゼフィーネに例の話を持ちかける。
「一度、陛下に逢って見ないか?・・・」
「・・・ええ、いいわよ」
 すんなりと答えたヨゼフィーネに、フェリックスが思わず聞き返す。
「本当にいいのか?」
 意外そうな顔をしているフェリックスを見て、今度はヨゼフィーネが質問した。
「・・・私が陛下に逢うこと、嫌がると思っていた?」
「あっ、いや・・・。只、君はずっと陛下と距離を置きたがっていたから・・・」
 ヨゼフィーネは軽く笑顔を見せながら、フェリックスに話した。
「距離を置きたいという気持ちに変わりはないのよ。でも、昔と違って陛下から逃げるつもりもないわ・・・」
「君がそのつもりなら、次の帰還まで陛下と逢う段取りをつけておくよ。いいかな?」
「ええ・・・」
 ヨゼフィーネにこの話を持ちかける迄、いろいろ考えていたフェリックスだけに、あっさりと決まった事になんだか拍子抜けがしていた。そんなフェリックスに、ヨゼフィーネは自分の気持ちを伝える。
「フェリックス、私はレオンハルト皇子に、出生について打ち明けてもいいと思っている。これ以上皇子が大きくなると、受け止め方が難しくなるのでしょう・・・」
「確かにそうだが・・・。でも、君を陛下に逢わせる理由は、なにも皇子の件についてだけじゃないんだよ」
「?」
「陛下はずっと君に逢いたがっていた。それこそ君が皇子を身ごもっていると知らされたときからね・・・。でも、嫌がる君の気持ちを優先したし、ビッテンフェルト家の意向もあって、陛下は逢う事をずっと控えていた」
「・・・」
「君から皇子を託されたときも、陛下は何とか君に逢いたいと願っていた。しかし、当時は皇子の産みの親への関心が高くて、迂闊に陛下は動けなかったんだ。しかも、誰もが君の事が世間に露見する事を恐れて、神経質になっていたしね・・・」
 当時のアレクの気持ちを代弁するフェリックスに、ヨゼフィーネは落ち着いた声で話した。
「私に対する陛下の心配りは有り難いと思っている・・・」
 ヨゼフィーネの思いがけないアレクへの感謝の言葉に、フェリックスはつい自分の気持ちがそのまま出てしまった。
「・・・ありがとう・・・」
 礼を言ったフェリックスに、ヨゼフィーネが笑った。
「なぜ、あなたが礼をいうの?」
「いや、何となくね・・・」
 思わず発した言葉に、照れもあって素っ気なくやり過ごしたフェリックスであったが、本当は心から喜んでいたのである。
 フェリックスは、昔、アレクを激しく拒絶していた頃のヨゼフィーネを知っている。それだけに、アレクの誠意がヨゼフィーネに通じていたことが、心底嬉しかったのだ。
 感慨に浸るフェリックスが、それまでのアレクとヨゼフィーネの道程を振り返る。そんな彼に合わせるように、ヨゼフィーネも過去を思い出しているような遠い目になっていた。
 回想する二人を、柔らかい沈黙が包んでいた。


 フェリックスは手応えの良かったこの機会にと、アレクとヨゼフィーネの両者を繋ぐ存在であるレオンハルトについても尋ねてみた。
「フィーネ、君はレオンハルト皇子に逢いたいか?」
 ヨゼフィーネは軽く首を振りながら答えた。
「・・・見るのと逢うとは違うわ。逢うのは遠慮しておく・・・」
「そうか・・・判った」
 寂しそうに笑ったヨゼフィーネに、フェリックスは言葉に詰まり、短い返事しか出来なかった。
 その後フェリックスは、いつものように宇宙に旅立つヨゼフィーネを見送った。

フィーネが陛下に逢う事に前向きになった
皇子に、出生の件を話す事にも了承した
そして何より
陛下の気持ちに応える余裕が生まれてきた

時間をかけた分、機は熟した

 フェリックスはこれをきっかけに、ヨゼフィーネとアレクとの間に新たな関係が生まれてくるような気がしていた。
 運命を狂わせたあの日以降、ヨゼフィーネはアレクを拒絶した。だが、これまでの時間の流れが、少しずつヨゼフィーネの苦しみを取り除き、そしてアレクに対する感情も変えさせている。
 ヨゼフィーネとアレクを逢わせる事に少し懸念があったフェリックスだが、どうやらうまくいきそうな気配に一安心する。しかし、別れ際に見せたヨゼフィーネの寂しそうな笑顔が、フェリックスの新たな期待に影を落とす。

『見るのと逢うは違う』・・・か
こちらの方は、無理強いできないな・・・

フィーネの心は、確かに皇子を求めている
だがフィーネは、その感情を必死に閉じこめている
皇子に逢ってしまうことで、
感情を抑えきれなくなる事を恐れている
だから、
皇子の面影だけを追って、
実像には手を伸ばそうとはしない・・・

 いくら距離を置くことに徹していても、レオンハルトに対する母性を隠しきれないヨゼフィーネを、フェリックスは今までの付き合いの中で何度も感じてきた。
 フェリックスの脳裏に、あの夢の中の母親の姿が浮かび上がる。

もしかしたら、
の産んだ母親も
知らないところから
俺を見ていたかもしれない・・・

遠くから、我が子を想うフィーネのように・・・



「フェリックスが、フィーネと陛下を会わせる準備をしている・・・」
 自宅での夕食の席で話したミュラーの言葉に、エリスは「?」という表情を見せた。
「あれ?<今回、口火を切ったのは君だ>と、アルフォンスから聞いていたが・・・」
 ミュラーの問いかけに、見当がついたエリスが笑いながら答える。
「フェリックスを急かせるつもりはなかったのですが・・・」
「でも、結果的にはそうなったよ・・・」
 ミュラーも笑う。
「私は、この会見次第では、<陛下とフィーネの間にある隔たりがなくなるのでは・・・>と予想しているが・・・」
 ミュラーの見解に、エリスも同意する。
「ええ、フィーネはずっと苦しみました。でもあの子は、過ちを犯してしまった陛下が自責の念に駆られている事も知っています。もうこの辺で、あの日の出来事に終止符を打ったほうが、お互いの為にもいいでしょう」
「しかし、長かったな・・・」
「確かに・・・。後悔に苛まされた陛下もお辛かったと思いますが、フィーネの陛下に対する負の感情を浄化させる為には、時間が必要でした・・・」
「そうだね」
 二人とも、アレクへの拒絶感がピークに達していたときのヨゼフィーネの状態を、その目で見ている。十分な時間が必要だということも、実感していた。それだけに、ヨゼフィーネが気持ちの整理をつける事に安堵する。
「それはそうと、今回、フィーネにスケッチブックを渡したのは、何か考えでもあったのかい?」
「ええ、フィーネもそろそろ、レオンハルト皇子の姿に慣れた方がよいと思って・・・。それで、ルイーゼとも相談して、まずレオンハルト皇子のスケッチを見せる事にしました」
「そうか・・・。女性陣は強いな。我々男性陣は、レオンハルト皇子が絡むとフィーネが壊れそうで、迂闊に手が出せない。こうして、嗾けられてやっと動き出すんだから・・・」
「・・・逃げてばかりでは、いつまでも解決しませんから・・・」
 エリスの言葉に、ミュラーが頷く。
「それに、レオンハルト皇子についても、少し気になるところがありまして・・・」
「レオンハルト皇子に?」
 ミュラーの食事の手が止まり、エリスの目を見つめて次の言葉を待つ。
「少し前、皇太后さまからのご依頼で、レオンハルト皇子の肖像画を描いたとき感じたことですが・・・」
 前置きした後、少し躊躇いがちにエリスが伝える。
「レオンハルト皇子は、全てをご存じなのではないでしょうか?」
「皇子が?まさか!」
 エリスの予想外な言葉に、ミュラーは驚いてしまった。
「只、これは私の憶測で、単なる仮定にしか過ぎません。レオンハルト皇子に確認した訳でもありませんし、皇妃さまや教育係のマリーカだって、<レオンハルト皇子は御自分の出生について、まだ何もご存じない>と思っています」
「では、なぜエリスはそう感じたんだい?」
「これといった根拠はないんです。只、漠然とそう感じただけで・・・」
 ミュラーは、エリスを妻としてではなく、もう一つの顔である画家として見てみる。
 肖像画を描く際、エリスはその人物のスケッチをすることから始めている。その下準備ともいえる工程で、エリスはモデルとなった人物の表面だけでなく内面的なものも感じとっているようである。芸術家独特の感性なのか、エリスの観察力は鋭く、ときにはその人物の本質に迫ることもある。従って仕上がった作品は、モデルとなった人物の人柄がよく表れていると周囲から評価されている。
 (エリスが<フィーネは皇子の姿に慣れた方がいい>と思ったのは、<皇子は全て知っている>という自分の直感に基づいたからなんだ・・・)と、ミュラーは推察した。
「エリス、どんな事でもいいから、レオンハルト皇子について感じたことを、私に話してくれないか」
 ミュラーは何かを探るかのように、エリスの話を聞き始めた。
「レオンハルト皇子のお顔立ちは祖父である先帝によく似ていらっしゃいますし、大人しい性格は父親である陛下譲りと言われています。でも私は、皇子の気質はむしろ小さい頃のフィーネに似ていると感じました」
「フィーネに・・・」
「ええ、小さい頃のフィーネは勘が強くて、表面に出さない感情まで感じ取ってしまう傾向がありました。そして、人の気持ちを読み取るあまり、自分の感情を出せなくなってしまう・・・そんな子どもでした」
「確かにそうだったが・・・。皇子にもそんな傾向があるというのかい?」
「肖像画を描いている時間だけ、一緒に過ごした私の印象ですので、それほど当てにならないかと思いますが・・・」
 自分の憶測にやんわりと釘をさして話すエリスであったが、ミュラーはその仮定に基づいて質問している。
「う~ん、では、もしエリスの感じたとおり、皇子は何かの弾みで、フィーネが自分を産んだ母親だと知ったとする。でも、そうなった場合、テオやヨーゼフには確認しているんじゃないか?フィーネはあの子達の叔母に当たるんだし・・・」
「テオはしっかりしている子です。もしそうなったら、父親のアルフォンスに話していると思いますが・・・」
「確かに・・・。只、テオは幼年学校に入学してからは、皇子とは会う機会も少なくなっている。むしろ、いつも一緒に遊んでいる大の仲良しのヨーゼフに、何か打ち明けているかも知れないよ」
 レオンハルトと一つ違いのヨーゼフは、お互いとても気が合っている。受け身でおとなしいレオンハルトと、祖父のビッテンフェルト譲りのやんちゃで気が強いヨーゼフは、全く正反対といっていい性格なのだが、まるでプラスとマイナスが引き合うように、いつも一緒に遊んでいる。本来ならば従兄弟同士の二人である。同じ一族の血がお互いの共感を呼ぶのかも知れない。
「もし、ヨーゼフがこの事実を知っていたら、すぐ判るでしょう。あのとおり、感情が顔にでるタイプの子です。あの子の動揺は行動にも表れると思いますから、ルイーゼにもばれるでしょう」
「その気配は?」
 首を振りながらエリスが答える。
「いいえ、ルイーゼからはなにも聞いていません」
 事実確認をしているようなミュラーの質問に、エリスが少し困った様子で告げる。
「ナイトハルト、あまり、大げさに取らないでくださいね。私も考えすぎのような気がしてきました・・・」
「すまない。つい・・・」
 ミュラーも審問のような会話をしていることに気が付き、苦笑する。
「どちらにしろテオやヨーゼフは、レオンハルト皇子にフィーネの事は、大好きな叔母さんとして話しているでしょう」
「そうだね・・・」
 ミュラーにも、ヨーゼフが大好きなヨゼフィーネの事を、レオンハルトに自慢気に教えている様子が目に浮かぶ。
「ナイトハルト、・・・レオンハルト皇子が本当に似ているのは、むしろ皇妃さまなのかも知れません。昔、ルイーゼが『皇子の母子を結ぶ絆の糸は、フィーネと皇妃さまの二人に繋がっている』と言って、泣いているフィーネを慰めたことがありました。そのルイーゼの言った言葉が、こんなに真実味を帯びてくるとは思いませんでした」
「全くだ。血の繋がりがない二人があれだけ似ているのは、本当に奇跡だよ・・・」
 マリアンヌとレオンハルトには血の繋がりはない。しかし、アンネローゼに似ているマリアンヌと、父方の祖父のラインハルトに瓜二つのレオンハルトの間は、信じられない程よく似ていた。<他人の空似>という言葉だけでは片づけられないこの不思議な現象は、ビッテンフェルトだけでなく、ミュラーやエリス達にも、なにか運命的な繋がりを感じさせていた。



 フェリックスは、ヨゼフィーネの次の休暇に併せて、アレクのスケジュールを調整していた。会見の場をヨゼフィーネの忌まわしい記憶がある王宮ではなく、二人がリラックス出来るような場所にしたいと考えていたフェリックスは、その候補地をいくつか選択していた。
 しかし、ヨゼフィーネがアレクと逢ったのは、フェリックスが準備していた会見ではなかった。彼女は、思わぬ形でアレクと逢うことになったのである。


<続く>