亜麻色の子守唄 9  

 ロートリンゲン邸に監禁されていたのは、フェルナーとエリスの父親ワイゲルトであった。ミュラーやその部下達によって助け出された二人は、かなりの衰弱が見られ、すぐ病院に運ばれた。


 ミュラーは、フェルナー達が調べ上げた情報から、ロートリンゲン子爵の計画の全容を知ることができた。
 <皇太后暗殺未遂事件>は、その計画の一端でしかなかったのだ。ロートリンゲン子爵の陰謀は、先帝亡き後アレク陛下の成長を見守っていた多くの忠臣達を驚かせた。


 幼帝アレク陛下や皇太后ヒルダの二人が、不幸にも崩御した場合、(次の皇帝は?)と誰もが思い悩む問題が生じるであろう。この計画は、そこに付け込んだものであった。
 創設者である先帝ラインハルトの血縁の乏しさが、今のローエングラム王朝の弱点でもある。先帝の姉であるグリューネワルト大公妃アンネローゼは、オーディンから離れるつもりはないと思われている。
 アレク皇子が生まれた頃、一時的にフェザーンに居たことはあった。しかし、弟でもある先帝ラインハルトの臨終を見届け、アレクの即位に立ち会った後、皇太后ヒルダの願いも空しくオーディンへ戻ってしまった。七元帥を始め誰もが、アンネローゼの「自分は表舞台に出ることはない!」という意志表示を感じたものだった。
 もし、ロートリンゲン子爵の計画通りアレクやヒルダが亡き者となり、後を継ぐ者のいない王朝になった場合、それまでの忠臣はどう出るだろう。この帝国、いや全宇宙の歴史から見ても、その場合あまりよい結果は得られていない。
 戦争中なら、相手から攻め込まれる恐怖心から、団結を保てるだろう。だが、外から崩される心配がないとき、忠誠を尽くす陛下の存在なくて、全ての臣下の足並みが揃うだろうか?貴族達の中には、以前の特権のある生活を求めて、野心に目覚める者、新たな候補を担ぎ出し私欲に走る者などが出てくるだろう。


 ローエングラム王朝の平等で公平な政治は、平民階層には支持されていたが、特権意識が残っている一部の貴族達には暮らしにくかった。
 かつて、リヒテンラーデ公爵に組みする貴族や、ブラウンシュヴァイク公爵やリッテンハイム侯爵の横暴振りを恨んでいたり、苦々しく見ていた貴族達は、貴族連合軍と戦いの際、ラインハルト陣営に味方した。その者達はラインハルトに心から忠誠を尽くして味方をしたわけではなく、当然、ローエングラム王朝となる現在<いま>の世を望んでいたとは言えない。
 リヒテンラーデ公爵に付いていた筈が、ラインハルトのクーデダーによって仰ぐ旗を変えた者や、政権の争いに対し中立の立場であった貴族が、生き残るためラインハルトに忠誠を尽くさざるを得なかったというケースがほとんどである。
 (こんな筈ではなかった・・・)という思いの貴族達は、表面に出ないだけでかなり存在するのだ。ロートリンゲン子爵の狙いも、そこにあった。


 ロートリンゲン子爵の父親は、フリードリヒ皇帝の兄であった故リヒャルト大公の忠臣であった。
 帝国歴四五二年、皇太子リヒャルトは父帝オトフリート五世の弑逆をはかったとされ、死を賜った。彼をとりまく廷臣六十名も処刑された。その廷臣の中に、ロートリンゲン子爵の父親もいたのである。
 皇太子リヒャルトの信頼が厚かった父親は、リヒャルトが新皇帝となった暁には、帝国宰相の地位を賜るだろうと思われていた。身に覚えのない事件の為、主君を失った父親は息子であるロートリンゲン子爵に「リヒャルト様は無実だ!我々は嵌められたのだ・・・。この恨みを忘れるな!」と言い残して世を去った。新たな皇太子には、リヒャルトやフリードリヒの弟であるクレメンツが冊立された。
 四五五年にいたって、リヒャルト大公の無罪が立証され、クレメンツ一派が彼に冤罪をきせたことが明らかになると、今度はクレメンツ派の廷臣百七十名が厳粛され、クレメンツは自由惑星への亡命をはかった。しかし、<偶然の事故>により、宇宙船もろとも爆死した。
 この事件は、当時の多くの貴族に後味の悪さを残した事件でもあった。血で血を洗い、憎悪の種を残す・・・貴族社会の戦い方の一つの例でもあろう。 
 こうして、至尊の冠は、誰も期待をしていなかったフリードリヒの頭上に輝いたのである。


 父の無念をずっと胸に潜め生きてきたロートリンゲン子爵は、長年にわたり、秘かに表舞台に立つ機会と狙っていたのだ。子爵の影にある地球教の存在も、ミュラー達を驚かせた。
 特権の無くなって暮らしにくいと嘆く貴族達に、忍び寄っていた地球教は思っていたより広範囲で貴族社会に広がっていた。自分たちの手は汚さず、以前のような特権が通じる世の中にしたいという貴族の依存心が大きな原因だろう。
 どちらもお互いを利用して勢力を伸ばそうという相互関係が旨く作用して、地球教は貴族達の間に、信仰として影響力を付けていた。


 ロートリンゲン子爵の計画が実行されて、忠誠を尽くす主君が不在となった場合、残された七元帥が一枚岩で頑張っても、どこかしらに綻びは生じるものである。七元帥の関係に亀裂が生じるようなもめ事を起こし、内乱の誘発を促すといった陰謀は、貴族達や地球教にとっては簡単なことなのである。
 宮廷を舞台に、何百年にも渡り血みどろの争いを繰り返してきた貴族社会には、戦場とは違う陰湿な戦いの歴史があった。例えば火のないところから煙を出すという狡猾な策略などは得意分野なのである。
 そういった貴族の戦いにおいては、質実剛健の帝国軍人は太刀打ち出来るまい。


 ロートリンゲン子爵は、内乱が起きて収集が付かなくなった頃、カザリン・ケートヘン一世を祭り上げて、平和を保とうと唱えるつもりであった。
 カザリン・ケートヘン一世に皇位を継がせる形にしてもいいし、新たな王朝を開くのもいいだろう。一度退位した皇帝が、何かの事情で再び皇位に付くということは、まれにあることだ。何しろ彼女は、先帝ラインハルトによって玉座に据えられた女帝だった。他に、ローエングラム王朝に候補者がいない場合、彼女を再びその地位につけることに、多少の異論はあっても面と向かって反論はできないだろう。
 ロートリンゲン子爵はカザリン・ケートヘン一世を正面に押し立て、地球教を後ろ盾に、政権を握ろうと企んでいたのである。だだ、その策略の誤算はカザリン・ケートヘン一世が亡くなっていたことであった。
 ペクニッツ公爵を借金で身動きとれないようにしたのも、この計画の為の作戦であったが、肝心のカザリンが病死していたのは話にならない。ロートリンゲン子爵は、カザリンという切り札の紛失に焦った。
 宇宙を統一した先帝ライントハルトが若くして亡くなり、アレク陛下も幼く、他に後継者はいない。この時期がチャンスと思っていたロートリンゲン子爵だけに、カザリンの死は打撃であった。
 自分に老いを感じ始めた子爵の中で、早く父の無念を晴らし、ロートリンゲン子爵家を名を高めたいといった焦りも生じていた。その焦りにつけ込むように地球教は、亡くなったカザリンの代わりにエルウィン・ヨーゼフ二世をたてようと持ちかけてきた。ロートリンゲン子爵もエルウィン・ヨーゼフ二世なら、この計画の続行も可能と考えた。
 エルウィン・ヨーゼフ二世も先帝ラインハルトによってその玉座に据えられた幼帝であった。しかも、その後は行方しれずになったため、成長した姿は誰も見ていない。
 地球教がエルウィン・ヨーゼフ二世を手中にしているのかどうか、子爵自身も確認はとれていなかった。しかし、エルウィン・ヨーゼフ二世なら最悪の場合、偽物を仕立て上げるといった事も出来ると考えた子爵は、地球教の言葉を受け入れ、計画の実行を決意したのだ。
 子爵は、落ち込んでいたカザリンの母親ペクニッツ夫人を、この計画に利用できると考え、フェザーンに連れて来た。精神的に痛手を受けていた夫人は、暗示にも簡単に掛かった。
 こうして、ロートリンゲン子爵はこの計画の手始めとして、ローエングラム王朝の後継者の暗殺を手がけたのである。


 その頃、フェルナーと共に地下の地球教の活動を調べていたワイゲルトは、ロートリンゲン子爵の存在に突き当たった。
 そして、この計画を詳しく知る為、いろいろ調べていたところを捕らえられてしまったのだ。ワイゲルトを助けようとしたフェルナーも捕まり、二人で邸に監禁されていたのである。


 この計画を、初期の段階で防げたのは幸いであった。
 黒幕がロートリンゲン子爵及び地球教であった事に、誰もが驚いた。ゴールデンバウム王朝のフリードリヒが皇帝であったときも、エルウィン・ヨーゼフ二世やカザリン・ケートヘン一世の幼帝のときも、そしてローエングラム王朝のラインハルトが皇帝だったときも、政治には関心のない静かな暮らし振りの子爵であった。まさかこんな計画を企だてる人物だったとは・・・。
 ミュラーを始め七元帥達は、人間の裏に潜む感情、特に仇や恨みといった類には、底知れぬ恐ろしさがあると思い知らされた事件であった。



 病院に運ばれたフェルナーは、かなり痛めつけられたらしく深手の負傷が見られ入院となった。だが、元軍人というだけあって体力もあり、いずれ回復するという見通しはついていた。しかし、ワイゲルトの方は衰弱が激しく、危険な状態であった。
 ミュラー達によって助けられたときには、もう死線を彷徨っていた。最愛の娘を見るまではと、気力で持ちこたえていたような様子であった。


 最後の幾日かを愛娘エリスと過ごしたワイゲルトは、思いの他安らかな顔でヴァルハラへと旅立った。
 エリスの父親ワイゲルトの葬儀は、身内やごく親しい者のみでひっそりとおこなわれた。



「なぜ、俺の方が生き残ってしまったのだろう・・・」
 病室でフェルナーが暗い顔で呟いた。ミュラーがこんな顔のフェルナーを目にするのは二度目だった。一度目は、オーベルシュタインが地球教のテロで亡くなったときだった。
「動けなくなっていたワイゲルトは、何度も『俺を置いて、ここから逃げてくれ』と頼んだ。だが俺は『助かるときは二人一緒だ!』って言って励ましていたんだ。二人でエリスを迎えに行こうと・・・」
 ロートリンゲン邸に監禁されていたときを思い出しているかのように、フェルナーは呟いた。
「俺が死んでも、悲しむ奴なんていないのに・・・。かわいい家族が待っていたあいつが逝くなんて・・・」
 フェルナーの落ち込み振りに、ミュラーは声をかけた。
「君が逝ったら、私が悲しむよ・・・」
 少し間があった後、フェルナーが思わせぶりにミュラーを見つめながら応えた。
「そんな目で見つめられたら、口説かれているみたいでときめきますよ」
「??・・・・・・」
 砂色の瞳をぱちくりさせて、一瞬考え込んだ後、「わあぁ、ご、誤解だ!私は、そんな意味で言ったんじゃない!」と、ミュラーは顔を赤くして、慌てて否定した。
「はは、判っていますよ。ただ、からかっただけですから・・・」
 相変わらず人を食ったような言い方のフェルナーだったが、表情は沈んでいた。
「・・・フェルナー、軍務省に戻らないか?君のような存在は、私にも必要なんだが・・・」
 ミュラーは、オーベルシュタインの後任の軍務尚書に任命されたときも、フェルナーには軍務省に残って欲しいと頼んだ。しかし、フェルナーは軍に留まる理由が見つからないといって、オーベルシュタインの国葬を取り仕切った後、退役した。
 オーベルシュタイン亡き後の軍務省では、軍人を辞める者が多く、他の元帥達はその傾向を意外に思ったものだった。アマンダも、そのとき軍から身を引いた中の一人である。
「俺が忠誠を尽せる人は一人だけですから・・・。でも、ミュラー閣下の気持ちだけ、ありがたく受け取っておきますよ。今は、気ままに暮らせるこの自由が心地よくてね」
「そうか・・・」
 ミュラーは、フェルナーの気持ちを考え、それ以上は誘わなかった。


「ワイゲルトが、『逝く前に話したい・・・』と、俺に残した話があるんです」
「・・・?」
「あの嵐の夜、うちの軍務尚書のいた部屋に、地球教の奴らが陛下がいると思いこんで爆発物を投げ込んだ。なぜ、そこに陛下が居ると思いこんだのだろうと、ずっと疑問でした。・・・ワイゲルトが、奴らに偽りの情報を流したんです。そして、それを指示したのは他ならぬうちの軍務尚書オーベルシュタイン閣下だったんです」
「えっ!」
「ワイゲルトが、逝く前に話したいと俺に打ち明けてくれた」
「・・・」
「その話を聞いてから俺は、うちの軍務尚書が、どういうつもりでそんな事をワイゲルトに依頼したのか考えていた。そして、危険だと知っていてなぜあの部屋にずっと居たのかも・・・」
 フェルナーが、一息付く。
「・・・だが、判らない」
「殉死・・・と思うかい?」
 ミュラーは、一瞬、自分の頭に浮かんだ言葉を聞いてみた。
 オーベルシュタインの死は、先帝と同じ日に亡くなったということもあり、いろいろと取りざたされていた。殉死説もその一つである。
「いや、違うと思う・・・」
 フェルナーは、答えが難しいその質問に、すぐに返答した。
(フェルナーも何度もそのことを考え、そして、否定という結論に達したんだ)と、ミュラーは考えた。
「オーベルシュタイン元帥の一番近くにいた君に判らないことは、私にも判らないよ」
「近くにいても、謎の部分が多くてね。うちの軍務尚書は不思議な人でしたから・・・」
 フェルナーが、口許に軽く笑みを浮かべて告げた。
「私も、オーベルシュタイン元帥をよく知らなかった。只、後任として同じ立場になってから、いろいろ彼の足跡に触れることが多くてね・・・」
「・・・」
「ペクニッツ家の執事から聞いた話なんだが、オーベルシュタイン元帥は、人を通じてペクニック家に何かと目を掛けていたらしい。ペクニック公爵は監視されていると感じて嫌がっていたようだが、夫人の方は好意的でオーベルシュタイン元帥のことをかなり信頼していたようだった」
 事件の事を知ったペクニッツ家の元執事が夫人のことを心配し、オーディンから『話を聞いて欲しい』と、ミュラーに願い出たのだ。
「ペクニッツ公爵が変わってしまったのは、オーベルシュタイン元帥が亡くなってからだそうだ。今まで、押さえつけられていたと思い込んでいた分、元帥が亡くなった途端、気も大きくなって金遣いが荒くなったんだ。娘のカザリンを亡くした頃は、多額の借金で公爵自身も精神的に参っていたらしい・・・。最後に執事は私に言ったよ・・・『ペクニッツ夫妻は、カザリン様が生まれた頃は、仲の良い御夫婦でした。あの頃に戻れたら・・・』ってね・・・」
「・・・ペクニッツ公爵は自分から身を滅ぼしていったんだ。ただ、そんな旦那を持った夫人の方が気の毒だったな。・・・彼女の今後はどうなるんだ?」
「皇太后の方でも、ペクニッツ夫人には同情しているらしく、今回の事件では、精神的な病人ということで罪は問わないことになった・・・」
 ミュラーはヒルダの話しぶりから、(皇太后の中にも、ペクニッツ家に対し<ローエングラム王朝の誕生の為、利用してしまった>という思いがあるようだ・・・)と、感じ取っていた。
「皇太后がペクニッツ夫人に、アレク陛下の名で郊外に領地と屋敷を下賜されたんだ。先帝ラインハルト様の形見分けという名目でね。それと、カザリン・ケートヘン一世に支給されていた年金は、母親のペクニッツ夫人に引き継いで渡されることになった。オーディンから執事が来て、夫人を引き取り面倒を見る事になっているから、夫人の今後は安泰だと思う」
「そうなったか・・・」
「・・・君達が調べ上げた地球教のデーターを参考にして、いろいろ検討したんだ。大がかりな地球教撲滅作戦が、もうすぐ始める」
「ふーん・・・」
 自分の手から放れていった問題に、フェルナーは生返事で答えた。そんなフェルナーに苦笑いしながら、ミュラーは伝えた。
「地球教が我々の知らないところで、こんなに力を付けていたとは・・・迂闊だったよ。・・・オーベルシュタイン元帥の後を引き継いで軍務尚書をするには、自分の力不足を感じてしまうよ」
「あの人と同じように歩まなくても。うちの軍務尚書とミュラー閣下とは性格が違いすぎる。戦争も終わって、時代も変わった。ミュラー閣下は、自分の新しい軍務省を築いて行けばいい」
「・・・ありがとう、フェルナー。なんだか気が楽になったよ」
 礼を言われたフェルナーは(柄にもないことを言った)と照れくさそうな素振りで目を反らした。
「今回の事件は、君やワイゲルト氏の他に、アマンダさんにも助けて貰ったんだ。・・・ペクニッツ夫人の変わりように、一番心を痛めたのはアマンダさんかもしれない」
「あいつは軍務省にいた頃、ペクニッツ家に関わっていたからな・・・。でも、アマンダにはもう家族がいる。あいつは自分の居場所があるんだから大丈夫さ。むしろ、俺が心配なのはエリスなんだ」
 溜息を一つ吐いて、フェルナーが話し始める。 
「エリス、俺の前では気を遣って泣かない。父親をこんな事に巻き込んて死なせてしまった俺を、怒って責めてもいいのに・・・」
「・・・エリスは君の前だけじゃないんだ。ビッテンフェルト夫妻の前でも泣いていない。だから二人とも心配しているんだ」
 エリスの事は、ミュラーも気になっていた。
 ミュラーはエリスの父親ワイゲルト氏の葬儀に出席したが、事件の解決に奔走していた為時間がなく、エリスとはゆっくり話をする事も出来なかった。
 エリスは、ビッテンフェルト家でも泣いた顔は見せていない。突然の不幸に戸惑いは見えたが、とり乱さず悲しみをうちに閉じこめ、健気に振る舞っているという。 
「あいつ、他人<ひと>の気持ちはすぐ察してやるのに、自分の感情を出すのに気を遣うんだ・・・」
 エリスに何もしてやれない今の自分の状態を、もどかしそうにフェルナーが語った。ビッテンフェルト夫妻もエリスの事が気がかりの様子に、何とか手助けしたいとミュラーも思っていた。
(ビッテンフェルト夫妻もフェルナーも、エリスに近すぎるんだ。だから、彼女は自分を押さえてしまう。周りを和ませるエリスの優しい気質が、この場合、かえって災いしているのかもしれない・・・)とミュラーは考えていた。

<続く>