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これは冬云々の話から別に分けて・・・
ちょうど伸びてきた時期ということもあり、履歴書&雇用保険受給者証用の証明写真をついでにとることにして、カットをお願いした美容室でのこと。 そこの美容師さんは私が放射線技師だということは知っているし、私もついつい勤め先をそれとなく話してしまうので、私がどういう職歴をたどっているのか大体わかっている(と思う)。そういう慣れたある程度は気心の知れた美容師さんなんである。
その美容師さんが何気なく振った話。
美「ねえ、1週間くらい前に○○(地名)で起こった高速の死亡事故。あれっておたくが前に務めていた××(職場の名前)の▼▲(役職名)さんだって」
私「は?・・・って、え゛?」
美「何でも研修に行ったときの事故でー、分離帯乗り上げてきたトラックが上からかぶさってきてー、2人死んだって・・・30代くらいだって言うけど、おたく知ってる人じゃないの?」
私「ああ・・・辞めて期間そんなにないし、異動がなければ多分知ってる人じゃないかと思うんですが・・・」
・・・と、「そんな話初耳」状態なんである。 何せこのところ我が家では夕方というとワールドカップバレーと相場が決まっていたから、夕方のニュースなんて見ないんである。新聞もさすがに俗に言うところの「3面記事」はこのところ読んでなかったんである。 なお、昨日この事故の実況見分をするために高速道路が通行止めになったのだそうだ。
美「トラックの巻き添え食って死ぬなんて・・・こういうのってホント目に見えない何かが決めてるとしか思えない死に方だよのー」
私「はあ・・・」
その後帰宅して、この話を弟に振ると、
弟「前に姉貴が言ってたよなー。なんとか命は変えられないけど・・・」
私「うん。『運命は生きてる本人が変えることが出来るけども、宿命は変えられない』という話ね。」 (私の記憶が正しければ、美輪明宏さんの本の中と思う。)
弟「やっぱりそういうのってあらかじめ宿命で決められてるもんなんだろうか・・・?」
あの時・・・いや、今も変わらずあの職場のあの人たちは、超忙しくハードスケジュールを淡々とこなしていて、自分の仕事に誇りを持ってて、ハングリー精神に満ちてて、若い人はもちろんベテランも自分を高めることを怠ってなかったし、その技術をアピールすることで業界の中では全国指折りの組織と認められていたところのそんな人たちだった。 そんな中で臨時職員だったとはいえのほほんとしていた私はついていけずに半年もたたずにやめてしまった・・・ダメ人間だけど。
時間がたって新聞でその記事を追ってみた。 一人は私がいたフロアにヘルプに来ては、私にプロの厳しさをとうとうと厳しく説いていた先輩だった。最初の月給をもらったときに「その金額ほどあんたは働けてないよなー?」と嫌味にも取れる絶対真実を私にぶつけた先輩。 そしてもう一人は私とはタッチの差で入った同期に近い「後輩」だった。語り口が明るくおっとりしてて、仕事面でマジメなのはもちろん、私とは違ってユーモアセンスもあって主任さんと打ち解けるのが早かった後輩。 彼らは超忙しくても自分を高め、一生懸命に仕事して生きていた。 私もずいぶんお世話になった(それが身についたかどうかは精神的問題もあって別問題なのだが・・・;;)。そんなつい2年前ほどに別れてしまった、顔を思い出せる彼らの誰かが巻き添え食らって死んだ・・・次々と職を変えて、みっともなくも親に寄生して生きている、みっともない私の心に焼きついて離れないだろう。 そして・・・宿命だったとしても彼らの無念さは計り知れない。
かといってダメ人間の私のほうをどうして先に殺してくれなかったのかな?神様?とは思いました。憎まれっ子世にはばかるというのでしょうか?それとも私にはまだやるべきことがあるから、命数減らないように神様調整してるんでしょうか・・・?
そんな一生懸命な彼らについていけずに、袂をわかってドロップアウトした私だけど、せめて彼らが生きていたころの姿を、声を思い出して、ささやかにご冥福をお祈りします。
..2003/11/27(Thu) 02:17 ..No(151)
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