電脳写真散歩タイトル
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さくらの華麗、りんごの可憐

今年の桜は見事でした。冬が長かった分、そして雪の多かった分、例年よりも咲く花の数が五割増しだったように感じられ、まさに「咲き誇る」様が圧巻でした。桜はなんだか人に見られることを意識して咲いているような気さえします。だから三部咲きのときも、満開のときも、花吹雪のあとの葉桜になってさえ人の心を捕えるのだと思ったりするのです。

桜が終わって一週間ぐらいすると開花するりんごの花。
桜のようにこれ見よがしではないところにまず心を惹かれます。りんごはこれから実を結ばせるために、ただそれだけのために一途に咲く様子が、とてもけなげで可憐です。さりげないけれど清らかな美しさがあります。
そんな素朴なりんごの花も、陽春の津軽野の広大なりんご畑一面に白く花咲く風景は、まさに「無数」を思い起こさせ、見る者を圧倒します。
けっこう観光的な価値もあると思ったりもするのですが、見にくる人が増えるとりんごの花も自意識過剰になってしまうかも知れません。

ちょっと考えものですね。

 

2005年5月24日撮影

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