電脳写真散歩タイトル
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五所川原バス待合所

JR五所川原駅の真向かいにこのバス待合所があります。
床面は粗いセメントの基礎がむき出しでほとんど土間と言う感じ。バスを待つ椅子の間には石油ストーブがふたつあるだけ。けっこう広い空間なので真冬は寒々としているはずなのになぜか暖かく感じるのが不思議です。
少しかしいだままの「たばこ・フィルム・ウヰスキー」の看板、白いアクリル板に筆字の縦書きで書かれた時刻表、雑然と置かれた土産物、みんな懐かしい風景……。
奥にはそばなどを食べさせる店があり、うまそうなだしのにおいがします。「学生ラーメン二百円」などと書かれた煤けたポップがさがっていて、そこの椅子は破れをガムテープで乱暴に補修してあったりします。脇にはお焼き屋さんまであったりするのです。
バスが人々の主要な交通手段であった昔は大きな町のバスターミナルはみんなこんな風でした。
この待合所、いつまでもここに残ってあるとは思えません。しばらくぶりに訪れてみると急に跡形もなくなっていたりするのですよねぇ。

目的地へ向かうバスが来たので乗車して待っていたら、発車時刻に「ジリリリ〜ン」とベルが鳴りました。この音もいまではなかなか聞けません。

 

2005年1月29日撮影

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