10月のかんきょう委員会は自然観察ということで、初秋の八甲田「蔦沼」周辺を歩いてきました。

 10月6日晴れて絶好の自然観察日和、八甲田の紅葉はまだちょっと早めでしたが、それでも漆等数種類の木々は色付き始めていました。今回ガイド兼運転手をお願いした職員のHさんは、自然観察の指導員の資格を持ってるので頼りになります(^^)!

蔦温泉のところから遊歩道が始まり、ぐるっと一周出来るようになっています。これは「蔦沼」。ほかに「鏡沼」「月沼」「長沼」「菅沼」「ひょうたん沼」、この遊歩道からちょっと離れた所に「赤沼」と7つの沼があります。今回は赤沼には行かなかったのですが、とてもきれいなので機会があれば行ってみるといいということでした。


 好奇心旺盛な委員たちは、目につく草やキノコを「これ何ていうの?」と次々質問。いろいろ教えてもらったんだけど、どれだけ覚えていられるかな−??

 これは「蔦沼」。このコースの中では一番大きい沼で、穏やかな水面に周りの木々が写り込んで、紅葉の盛りはもっと素敵だろうと思いました。

 「鏡沼」から水が川に流れていく所。よーく見るとあちこちに水が沸き出ていて・・すっごいきれいな水なんです。

 「鏡沼」とにかく水がきれいで、実際の森はもとより水に写り込んだ森の方が幻想的で美しいのです。(写真下手で伝えられないのが残念です)

 歩いていると途中栃の実が落ちていて、みんな子どものように薮に分け入って大きい実がないか探していました。栃の実はホウズキ・野ぶどうの実と共に焼酎につけると、打ち身に効く薬になるんだそうです。

 「菅沼」は沼から湿原へと現在も進行中だそうです。みんながいる所は、雪解け時期は水の中なんですって。おたまじゃくしが泳いでました。

 蔦沼めぐりの帰りに「蔦ふれあいの森」に寄って、植樹されたブナの様子を見てきました。春の植樹の時は下草がきれいに刈ってあったのですが、この時は草をかき分け入って行きました。

 一見草ぼうぼうの中、草に混じってブナの若木が根付いていました。でも他の木々より成長の速度が遅いので、日光の獲得競争に負けるものもあるでしょう。頑張れっ!て感じです。

 帰りは田代の方をまわって、田代高原の「又兵衛の茶屋」にある足湯につかってきました。蔦沼めぐりの疲れがとれるようで、気持ちが良かったです。でも、本当の疲れは2〜3日後にくるんですけどね・・。

「コウライテンナンショウ」の実
…「高麗天南星」と書く、コンニャクと同じサトイモ科の植物。雌雄異株ですが、生息地の栄養状態によって雌株にも雄株にも変わる(性転換する)という変り種。きっと、命をつなぐ(子孫を残す)戦略として身につけたもの?でしょう。茎に褐色のまだら模様があり、突然遭遇するとびっくりします。マムシの体色と似ているので、「マムシグサ」と呼ぶ人もいるようですが、適切な表現ではないようです。塊茎部分には毒を含むとされ、果実は胃痛、腹痛に、塊茎は去痰・鎮痙剤などとして用いられるそうです。トウモロコシ?のような実は秋に赤く色づき、目を引きます。(菅沼付近にて)

「フッキソウ」の実
…草のようにも見えますが常緑の低木(木本)です。南八甲田の周辺ではよく目にしますが、実はなかなか見ることはありません。実は真珠を思わせるような乳白色の球形で、多汁。漢字表記は、「富貴草」。別名、「吉祥草」(キチジソウ)。耐陰性(日陰に耐える力)が強く、常緑の葉が一年を通してこんもりと繁ることから「繁栄」の意につなげ、おめでたい?植物とされるとか。(蔦ふれあいの森にて)

 ※この2点の写真と文章は、職員のHさんのものを拝借しました。


 かんきょう委員会では、活動の中に毎年一度は自然観察を取り入れています。今回行った「蔦沼」周辺の遊歩道は、一周60分くらいと八甲田のフィールドマップには書かれていましたが、木の実草の実、きのこ等興味を引くものがいろいろあり、途中栃の実拾いも始まって、倍くらい時間をかけてまわって来ました。ブナの森の中を歩き、その森が水を貯え沼や川を作り、いろいろな動植物を育んでいるという話を聞き、樹齢何百年にもなるブナの巨木を見上げると、私達人間はこの森の中ではなんてちっぽけな存在なのかと思ってしまいます。そんなちっぽけな人間達が、環境を汚し、自然を破壊しているんですよねー。
 青森にはまだまだ素晴らしい自然が近くに沢山あります。それらを守るために毎日の生活から何ができるか・・やっぱ環境にやさしい暮らしをすることが基本ですよね。
 一日かけて八甲田をぐるっとひと回り。楽しい一日でした(^▽^)/

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