高脂血症には、
コレステロールが高いものと
中性脂肪が高いものがあります。
中性脂肪(=トリグリセリド)とは
身体に存在する脂肪のひとつです。肝臓や脂肪細胞などに蓄えられ、必要に応じて、エネルギーの基として働きます。食べたものの中の中性脂肪は、腸から吸収されます。
また、栄養が余った場合は、肝臓で中性脂肪が作られます。肝臓に中性脂肪がたまりすぎると脂肪肝になります。
中性脂肪が高いと
動脈硬化が進行します。動脈壁が硬くなり、細くなり、しまいには閉塞します。また、動脈壁が弱くなり、破れて出血の原因になります。
動脈硬化が進行する理由は、中性脂肪が高くなることで、
1.悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが増え、
2. 善玉コレステロールであるHDLコレステロールが減少し3.レムナントリポ蛋白という悪玉が増えるためです。悪玉が動脈の壁にたまりやすくなります。
動脈硬化の結果、コレステロールが高い場合と同様に脳、心臓、腎臓の動脈や大動脈の病気になります。
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糖尿病と中性脂肪
糖尿病患者では、中性脂肪が高い人を見かけます。
糖尿病が、良好となると中性脂肪も改善します。
お酒と中性脂肪
アルコールは、中性脂肪を上昇させます。血液の中性脂肪も増加しますが、肝臓の中性脂肪も 増加するため、アルコールによっても脂肪肝がおこります。アルコール制限や禁酒で中性脂肪が低下します。
中性脂肪を下げるには
食生活の改善が基本です。
1.食事療法
中性脂肪の食事は、カロリー全体を抑えることが重要で す。特に、低糖質食が良く、ご飯などの炭水化物や甘い お菓子などを控えることが大切です。述したように、
アルコール制限や禁酒で中性脂肪が低下します。
2. 運動療法
コレステロールに比して、運動療法がより有効です。
3.薬物療法
食生活で改善しない場合、薬物を使用します。
主に中性脂肪を下げる薬剤としてがフィブラート系
薬剤があります。
@フィブラート系薬剤
主に、中性脂肪を低下させる薬剤です。総コレステロール も低下し、HDLコレステロールは上昇します。腎臓が悪 い患者さんや胆石のある患者さんには注意を要します。
横紋筋融解症が発生することがあります。
商品名は 1.ベザトールSR 2.リバンチル などです。