「米騒動」
第1話(初回特大号)
「こんにちわ」
良介は少し照れながら、そしてはにかみながら部長に言った。
「何をそんなに照れているのだ」
部長の直球に、思わず今朝ブック西沢で購入したばかりの「男のクリケット初級講座」を落としてしまった。
「て、照れてなんかいませんよ!照れるといえば、ブリの照り焼きは美味しいですよね」
「お前は私をバカにしとるだね!?ブリといえば出世魚。私が部長から出世しないのを毎晩笑ってるに違いない」
部長は星条旗柄のウエストポーチからミンティアを取り出し、おもむろに口に含む。
「むむ、ちょっち辛い」
間違って38粒も飲んだらしい。人工肛門が疼く。
「部長、今夜一杯どうっすか?」
場の空気を察した寺田が誘って来た。
「いいねえ、あそこの醤油豚骨はさっぱりしてるから」
勘違いしてるらしい。
第2話
そんなこんなで、朝礼が終了した。
師走だということもあって他の部署も忙しそうだ。
良介は午後からの得意先訪問のため、にんにく卵黄を5粒飲み、仕事そっちのけで満点体操に励む。
その時だった。突然の社内放送。
隣の課の山崎真紀子である。
「胸のしこりが気になるの!胸のしこりが気になるの!」
なぜ2回言ったのか。今となっては寺田しか知る者はいなくなってしまったが・・・
第3話
「なんだこの放送は!?これじゃ65点しかもらえないよ!」
部長も満点体操していたらしい。
これも必然的なことであった。
それを知ってか知らずか、山崎のカミングアウトは続く。
「昨日、コンビニでストッキングと間違えて隣りにあった熨斗(のし)袋を買ってしまったとよ!」
「゛とよ"って?」
「゛とよ"は無いよなあ・・・」
次の瞬間、閃光と共に部長が爆発した。
第4話(最新号)
時を同じくして、ここはロンドン。
竹下刑事は中国マフィアの麻薬密輸事件を追ってホテルの一室で作戦を練っていたかのように見えたが、
昨夜から、もし突然交通事故に遭って膝に水が溜まったらどうしようかと悩んでいたのだった。
「痛いだろうな。きっと痛いだろうな。」
すると、館内に大きな声が響く。
「米騒動だ!」
「マジですか!?」
