くるくる回る




くるくる回る




誰にも知られずそれは回る




運命をつむがんとくるくる回る




くるくる回す




くるくる回す




自分をかえりみずくるくるまわす




色のある未来をつむぐため




くるくる回す

























紡ぎ糸






























「どうしても君は止まらないんだね。」


月が陰り、夜の光が届かない暗い部屋の中に声が響いた。



「僕は止まれないし止まるつもりも無い。」



その声に応えてまたはじめの声に似た声が部屋の中に響く。



「他に…他に方法は無いの?」

「あったらその方法を選んでいるさ。そして僕はもう選んだんだこの道を。」

「ルック……。」



ルックと呼ばれた人影は近くの壁を殴りながらもう一つの影に叫んだ。



、他に道があるというなら教えてくれないか?100万の命を天秤にかけずに済む方法を!!」



その時ルックの叫びに応えるかのように月を隠していた雲が動き月明かりが部屋の中に入ってきた。
その月明かりの元にさらされた2つの影は同じ顔をしていた。
双子のように…それ以上に似ている2人はそれぞれ違う表情を浮かべている。



ルックは苦しみと哀しみを


は痛みと哀しみを



それらは似ているようで違う表情だった。



そしてがうつむきながらぽつりともらした。



「何故僕らは生まれてきたんだろう。せめて意思が無ければこんな思いをせずに済んだのに。なぜヒクサクは僕らに感情を与えたんだろう。」

「…………」

「それに何故僕は作られたんだろう。紋章も格納されず、ただただ生きるだけ。僕が今生きている理由はなんだろう。僕の存在意義は……」

「………そろそろ僕は行くよ。」



壁にかけてあった仮面を手に取るとルックは紋章に集中し始めた。



「…そう。」



ルックの右手が輝きだし、その光は次第に大きくなっていく



「僕はもう糸を紡ぎだしてしまった。止まるのは望む糸を紡ぎ終えた時か僕自身が倒れた時だ。だから…」


そしてその光はルックを包み込み



「だからもし僕が倒れた時は僕が存在したという事を忘れないで欲しい。そして望む糸が紡がれたとき僕に代わって糸の行く先を見守って欲しい。それがの生きる意味だ。」



「だからもう自分の存在意義が無いなんて言わないでくれ。」



ルックと共に消えた。



彼の最後の声だけ残して。



「ルックはやっぱり優しすぎるよ。その優しさが今の僕には…」



イタイよ



言葉を放つともまた部屋から出て行った。
そしてそれを待っていたかのようにまた月は雲の陰へと隠れた。






くるくる回る




くるくる回る




誰にも知られずそれは回る




運命をつむがんとくるくる回る




くるくる回す




くるくる回す




自分をかえりみずくるくるまわす




色のある未来をつむぐため




未来をもう一人の自分に託すことを夢見て




くるくる回す



















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アトガキ(懺悔)
えっとこの主人公は連載と関係ありません。
読めばわかると思いますが、彼はルック、ササライと同類です。
で、ルックとともにレックナートに助け出された。という設定です。
鳴瀬聖様こ・・・これでよかったでしょうか?
ちなみに言っておきます。彼はルックとは親友です!!